『源氏物語』第26帖「常夏」現代語訳全文を読む|わかりやすい口語訳

出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」尾形月耕『源氏五十四帖』

 このページでは、『源氏物語』第26帖「常夏」の現代語訳全文を掲載しています。原文の内容をそのまま訳しつつ、必要に応じて主語を補い、敬語表現をわかりやすく改めるなど、現代の読者が読みやすい口語訳にしています。

 原文を確認しながら読みたい方は、『源氏物語』第26帖「常夏」原文全文をご覧ください。

目次

暑い日の釣殿で、内大臣の「新しい娘」が話題になる

 たいそう暑い日のこと、源氏は東の釣殿へ出て涼んでいた。夕霧もそばに仕えている。親しい殿上人たちも大勢いて、西川から献上された鮎や、近くの川で獲れた小魚などを目の前で調理させて食べていた。いつものように内大臣の息子たちも、夕霧を訪ねてやって来る。

 源氏は、「退屈で眠くなっていたところへ、ちょうどよく来てくれた」と喜び、酒を勧め、氷水を用意させ、水飯などをそれぞれ好きなように食べさせた。風はよく吹いているのに、空はのんびりと晴れ渡ったままで、西日が差すころになると、蝉の声まで苦しそうに聞こえてくる。

 「今日は水辺にいても、まるで涼しくならないね。あまりの暑さだから、少々行儀が悪くても許してもらえるだろう」と、源氏は柱か何かに寄りかかって横になった。「こんな季節は管弦の遊びも気が乗らないし、かといって一日を過ごすのもつらい。宮仕えをしている若い者たちは、さぞ堪えるだろうね。帯一つ解くこともできないのだから。せめてここでは少しくつろいで、このごろ世間にあることで、眠気も覚めそうな珍しい話でも聞かせておくれ。どうも近ごろは、自分がすっかり老人になったような気がして、世間のことにも疎くなってしまったよ」

 そう言われても、これといって珍しい話をすぐ口にできる者もいない。皆、かしこまったような顔をして、涼しい高欄に背を預けながら座っていた。

 そのうち源氏がふと思い出した。「そういえば、どこで聞いたのだったかな。内大臣が、別腹の娘を探し出して、大事に育てているという話をする人がいたが、本当なのか」と、弁少将に尋ねた。

 弁少将は答える。「それほど大げさに申し上げるようなことでもないようでございます。この春ごろ、父が夢の話をしたのを、どこからか聞き伝えた女が、『それなら私にこそ思い当たることがあります』と名乗り出てきたのです。それを右中将が聞きつけ、本当に父の娘であるらしい証拠があるのかと、尋ねさせたようでございます。詳しいことまでは存じませんが、このところは確かに珍しい世間話になっております。こういうことが起こると、本人のためにも、家にとっても、自然と厄介なことになりますね」

 源氏は、やはり本当だったのかと思いながら、少し意地の悪い笑みを浮かべた。「あれほど子供が大勢いる中で、一羽だけ群れから離れた雁を、わざわざ探し出そうというのも大したものだね。私などは子供が少ないから、そんな子でもどこかから名乗り出てくれれば見つけてみたいものだが、私の子だと名乗るのも嫌になるような身分だと思っているのか、さっぱり聞こえてこない。それにしても、本当に何もなかったとも思えないよ。若いころはずいぶんあちらこちらへ入り乱れていたのだから、底まで清く澄んでいない水に映る月が、どこにも曇りなく一つだけだったなどということが、どうしてあるだろう」と笑った。

 夕霧は事情をかなり詳しく知っているので、さすがに真顔では聞いていられない。弁少将や藤侍従は、自分たちの家のことをからかわれて、ひどく苦々しそうだった。源氏はさらに夕霧へ、「朝臣も、そんな落葉があれば拾っておくといい。あとあと、みっともない噂を残すよりは、同じ家の花として一緒にしてしまえば、何ということもないだろう」と冗談を続けた。

 源氏と内大臣は、表向きには昔からたいそう親しい間柄だった。けれど、こういうところには、やはり消えきらない隙間があったのである。まして内大臣が夕霧と雲居雁の仲をあれほど厳しく引き離し、夕霧につらい思いをさせている。そのことを源氏は腹に据えかねていて、今日のこんな皮肉も、少しくらい内大臣の耳に入り、悔しがればいいと思っていたのだった。

 そしてこの話を聞きながら、源氏は玉鬘のことを思う。「あの姫君を内大臣に見せる時には、決して軽く扱えないほど立派な娘として見せてやりたいものだ。あの人は物事の善し悪しをはっきり見分け、気に入ったものは見事に褒め上げる一方、悪いと思えば容赦なく軽蔑する人だからね。突然、これほどの姫君を自分の娘として目の前に差し出されたら、さすがに侮ることはできまい。思いきり驚かせてやりたいものだ」――そんな気持ちまで湧いてくるのだった。

玉鬘と夕霧、そして雲居雁のこと

 夕方に近づくにつれ、風はたいそう涼しくなってきた。若い人々は帰るのが惜しそうにしている。源氏は、「私も気楽に休んで涼もうかな。こういう若い人たちの中にいると、だんだん自分だけ邪魔者になりそうな年になってきたよ」と笑い、西の対へ渡った。若君たちは皆、源氏を送ってついて来た。

 黄昏どきで顔もよく見分けられず、しかも皆が同じような直衣を着ているので、誰が誰なのかはっきりしない。源氏は玉鬘に、「少しこちらへ出ておいで」と言い、人目を避けて小声で話しかけた。「弁少将や藤侍従なども来ているよ。みんな飛んででもこちらへ来たそうな様子なのに、夕霧はあまりにも生真面目だから、勝手に連れて歩こうともしない。気の利かない男だね。

 「あの若君たちだって、あなたに何の思いもないわけではないだろう。もっと普通の家の娘でさえ、家の中に深く隠されている間は、男というものは身分相応に気になって見たがるものだ。ましてこの家の評判は、内々の細かな事情などより、世間ではずっと立派に、大げさなほどに思われている。男たちもいろいろいるけれど、さすがに誰にでも気軽に恋を仕掛けてよい家ではないからね。あなたをここへ迎えた時、私は退屈しのぎに、どんな男がどれほど深く、あるいは浅く心を寄せてくるものか眺めてみたいと思っていた。その願いは、どうやらかなったようだよ」

 庭にはむやみに草花を植え散らすようなことはせず、色を整えた撫子を、唐風、大和風それぞれに美しく結った垣根に咲かせてあった。夕映えの中で乱れ咲くその姿は、息をのむほど美しい。若君たちは皆そこへ足を止め、思うままに折り取ることもできず、名残惜しそうに眺めている。

 源氏はその様子を見ながら、「皆、なかなか心得のある若者たちだね。心の持ち方もそれぞれだが、まず見苦しくない。夕霧は中でも少し落ち着いていて、こちらが気後れするようなところまである。どうだい、あの人から便りが来ることはあるのか。あまり素っ気なく突き放してはいけないよ」と玉鬘に言った。

 夕霧は、この華やかな若者たちの中にいてもひときわ美しく、しっとりとした気品があった。源氏はさらに、「あなたが夕霧を相手にしないのは、私は残念だな。血筋も混じり気なく立派で、あれほど輝くような若者なのに。少し大君然としすぎて、堅苦しいところが嫌なのかな」と冗談を言う。

 すると玉鬘は、「『来てくだされば』と待っている方も、ほかにいらっしゃるそうですから」と答えた。雲居雁のことをほのめかしたのである。

 源氏はため息をついた。「その恋を見世物のようにして面白がりたいわけではないよ。ただ、幼い二人が昔から結んできた心を解かないまま、何年も引き離している内大臣のやり方がつらいんだ。夕霧がまだ官位も低く、世間体が悪いというのなら、知らない顔をしてこちらへ任せておけばいい。私に任せて、いったい何がそんなに心配なのだろう」

 玉鬘はそれを聞いて、源氏と実の父である内大臣との間には、そんな心の隔たりもあったのだと初めて知った。そう思うと、自分がいつ父に娘だと知ってもらえるのか、その時がまるで見えないことが、いっそう切なく、胸の塞がることのように感じられた。

篝火のもとで和琴を教える源氏

 月のないころだったので、燈籠に灯りがともされた。源氏は、「やはり近くに灯りがあると暑苦しいね。篝火のほうがいい」と言い、人を呼んで「篝火の台を一つ、こちらへ」と命じた。

 そこに美しい和琴があったので、源氏は引き寄せて軽く掻き鳴らした。律の調子に実によく整えられていて、音色もよく響く。しばらく弾いてから、玉鬘に話しかけた。

 「こういうことにはあまり興味がない人なのかと、この何か月か少し見くびっていたよ。和琴は、秋の夜、月の光が涼しいころに、あまり大げさに構えず、虫の声に合わせるように軽く鳴らすと、とても身近で今風の味わいがある楽器なんだ。大げさな曲を、いかにもという顔で弾くのは似合わない。

 「それでいて、この楽器一つで、ほかの多くの楽器の音や拍子まで整えるところは本当にたいしたものだよ。『大和琴』などと一見素朴な名前をしているのに、際限なく奥深く作り上げられている。外国のことを広く知らない女が弾く楽器としては、いちばん似つかわしいもののように思う。同じ習うなら、きちんと心を入れて、ほかの楽器に合わせられるくらいにはなりなさい。

 「奥義などといっても何かひどく難しい理屈があるわけではないのに、本当に上手に弾きこなせる人となると、なかなかいないものらしい。今なら、あなたのお父上である内大臣に並ぶ人はいないだろうね。同じような何でもない菅掻きをするだけなのに、その音の中へあらゆる楽器の響きがこもり、通い合って、言葉にできないほど高く響き上がるのだ」

 玉鬘は、ぼんやりとは和琴のことを知っていたが、もともと実の父のことを何とかもっと知りたいと思っている。それだけにひどく興味をそそられた。「こちらで、何かよい管弦の機会があれば、父上の演奏を聞くことができるでしょうか。田舎の身分の低い人たちの中にも和琴を真似て弾く者が大勢いると聞いていましたので、誰にでもできる気軽なものだとばかり思っておりました。では、上手な人が弾けば、まるで違うものなのでしょうか」と、珍しく熱心に尋ねた。

 「そうだよ。『東琴』などと名前だけ聞けば田舎へ下るような感じがするけれど、宮中の御前の遊びでも、まず書司の者を召して弾かせるくらいでね。外国のことは知らないが、この国ではこれを楽器の親のように扱っているのだろう。その中でも、親と呼んでよいほどの名手から直接習った人なら、やはり格別だよ。内大臣も、こちらで何かよい折があれば来ることはあるだろうけれど、この琴を惜しみなく存分に弾いてくださる機会となると、そう簡単にはあるまい。どんな道でも、本当に上手な人というものは、気軽にその技を見せてくれないからね。でも、いつかはきっと聞けるだろう」

 そう言って源氏は、また少し琴を調べて弾いた。その手つきも音も、並ぶものがないほど洗練され、今風で美しい。玉鬘は、これよりさらに優れた音を実の父は出すのだろうか、と、父を恋しく思う気持ちまで強くなった。いったいいつになれば、父が打ち解けて和琴を弾くところを聞けるのだろう――そんなことを考えながら、源氏の手元を見ていた。

 源氏は「貫河の瀬々のやはらた」と、たいそう優しい声で歌った。「親避くるつま」という詞のところでは少し笑いながら、何げないように菅掻きをする。その音は言いようもなく美しく響いた。

 「さあ、あなたも弾いてごらん。芸事は、人前を恥ずかしがっていては上達しないよ。『想夫恋』くらいなら、心の中でだけ人を思ってごまかす人もいるだろうけれど、楽器は恥ずかしがらず、あれこれと合わせて弾くほうがいい」

 源氏がしきりに勧めても、玉鬘が以前和琴を習ったのは、あの遠い田舎の片隅で、京の人だと名乗っていた古大君という女から、ほんの少し教わっただけだった。それが間違った弾き方ではないかと恥ずかしく、琴に手を触れようともしない。

 源氏は、少しでも弾いてくれれば、どれほど弾けるかわかるのに、とじれったく思う。琴を口実にして玉鬘のすぐ近くまで膝を進め、「いったい、どんな風が吹き添うと、こんなふうに音が響くのでしょうね」と、からかうように首を傾けた。その姿が篝火に照らされて、あまりにも美しい。

 そして笑いながら、「耳の鈍くない人のためには、身にしみるような風まで吹き添うものなのだよ」と言って、琴を玉鬘のほうへ押した。玉鬘には、何とも腹立たしく、困ったことだった。

「撫子」を父に見せたい――玉鬘の本心

 女房たちが近くにいるので、源氏もいつものような危うい戯れ言までは口にできない。代わりに、先ほど帰っていった内大臣の息子たちのことを思い出し、「この撫子を十分に眺めることもできないまま、あの人たちは帰ってしまったね。どうにかして内大臣にも、この花園を見せてさしあげたいものだ。人の命も世の中も、本当にいつまでも同じではないからね。昔、何かの折にあの人が話していたことも、つい昨日のことのように思い出される」と言った。

 実の父のことをほんの少し話しただけなのに、玉鬘には胸にしみるものがあった。源氏は続けて詠んだ。

撫子のとこなつかしき色を見ばもとの垣根を人や尋ねむ

この撫子の、いつ見ても懐かしく美しい花の色を見たなら、その人は昔この花が生まれた、もとの垣根まで尋ねてみようと思うでしょうか。

 「このことをどうするか考えると、それが煩わしくて、あなたをずっと殻の中に閉じ込めておくようなのも気の毒に思うのだよ」と源氏が言うと、玉鬘は涙をこぼした。

山賤の垣ほに生ひし撫子のもとの根ざしを誰か尋ねむ

田舎人の粗末な垣根の中に育ったような撫子ですもの。いったい誰が、そのもとの根まで尋ねようとしてくださるでしょう。

 頼りなげに、慎ましくそう答える姿は、本当に若々しく、ひどく人を惹きつけた。源氏は「もし来てくれなかったなら――」と昔の歌の一節を口ずさむ。もともと募っていた思いは、苦しいほどに強まり、やはり最後まで抑えきることなどできそうにないと思われるのだった。

 それでも、西の対へ通う回数があまりに増え、周囲の人に怪しまれるほどになると、さすがに自分自身が後ろめたくなり、足を止める。その代わり、何かと口実を作っては手紙を送り、便りの途絶える時はほとんどなかった。源氏の心には、朝から晩まで、ただ玉鬘のことばかりが引っかかっている。

玉鬘を手放すべきか――源氏の危うい思案

 源氏自身にも、自分のしていることがわからなくなる時があった。「どうして私は、こんなつまらないことをして、わざわざ心の休まらない物思いを抱えているのだろう。思わないようにしようとせず、自分の心のままに振る舞えば、世間からどれほど軽々しいと非難されることか。自分の評判だけならともかく、この人のためには、あまりにも気の毒なことになる。

 「どれほど深い愛情を持ったところで、紫の上への思いと同じところまで並ぶことは、自分の心ながらあり得ないだろう。ならば、それより下の女君の一人としてしまったところで、どれほどの意味があるというのか。私自身の身分だけは誰より高いとしても、大勢いる女の一人として関わるだけなら、玉鬘にとって何がそんなに晴れがましいだろう。たいして高い身分でなくても、納言ほどの男が、二心なくただ一人を大切に思うのなら、そちらのほうが幸せなのではないか」

 そこまで自分で考えると、玉鬘が本当に気の毒になった。「兵部卿宮か右大将に許してしまおうか。そうしてこちらから遠ざけ、誰かに連れ取らせてしまえば、私の思いも絶えるだろう。仕方のないことだ。それならそうしてしまおう」と思う時もあった。

 ところが、いざ西の対へ行き、玉鬘の美しい顔を見ると、そんな決心はすぐに崩れる。今では和琴を教えるということまで口実にして、以前より近くへ寄り、親しく話をするようになった。

 玉鬘のほうも、初めのうちは源氏の心を恐ろしく、嫌なものだと思っていた。けれどその後、無理に何かをする様子はなく、まず穏やかに接してくるので、「このままなら、ひどく警戒しなければならないお心でもないのかもしれない」と、少しずつ慣れていった。以前ほど源氏を露骨に避けることもなくなり、必要な返事なら、馴れ馴れしくならない程度に交わすようになった。

 そうして見るたび、玉鬘はいよいよ愛嬌が増し、華やかな美しさまで深まっていく。源氏はまた、やはりこのまま何もなく手放してしまうことなどできない、と気持ちを翻すのだった。

 そしてとうとう、こんなことまで考える。「それならいっそ、このまま六条院に大切に住まわせておいて、折々に人目を忍んで少し話をし、心を慰めるくらいならどうだろう。今はまだ世間を知らないから、こちらがこんなことを考えるだけでも気の毒なのだ。けれど、そのうち夫という関守がどれほど厳しくても、本人が男女の心を知るようになり、こちらの思いを嫌がらず、自分の心でも受け入れるようになったなら、たびたび逢っても差し支えはないだろう」

 まったく、とんでもない考えである。

 そんなことを思えば思うほど源氏の心は休まらず、このまま長く思い続けるのも苦しい。かといって、ほどほどの気持ちとして忘れてしまうこともできそうにない。どちらへ転んでも厄介で、まったく世間並みではない、困った関係になってしまったのだった。

内大臣が耳にした「今姫君」の評判

 一方、内大臣は、最近新しく娘として迎えた近江の君について、「邸の者たちからさえ娘とは認めてもらえず、軽く見られ、世間でも馬鹿げた話だと笑われている」と聞いていた。そこへ弁少将が、何かの話のついでに、源氏が「あの娘の話は本当なのか」と尋ねていたことを伝えた。

 内大臣はすぐに皮肉を返した。「そうとも。あちらこそ、長いあいだ噂にも聞かなかった山里育ちの娘を迎え入れて、立派な姫君らしく仕立てているではないか。普段はめったに他人を批判しない源氏の大臣が、こちらのこととなると耳をそばだてて、わざわざ貶すのだね。それだけ注目してくださるなら、こちらもたいそう名誉な気がするよ」

 すると弁少将が、「あの西の対に置いておられる姫君は、本当に非の打ちどころのない方らしいと聞いております。兵部卿宮などがひどく心を寄せ、思い悩んでおられるとか。ただの方ではあるまいと、皆が推量しているようです」と言った。

 内大臣は面白くない。「いや、それは源氏の大臣が自分の娘と思っているからこそ、世間の評判までたいそう立派になっているだけだ。人というものは、皆そういうものだからね。本人が必ずしもそれほど優れているとは限るまい。本当に立派な家柄の人なら、長年のうちに噂くらい聞こえていたはずだ。

 「それにしても惜しいことだ。あの大臣ほど、塵一つつかないような名声と身分で世を渡っている人が、表立って誇れる高貴な女腹に娘をもうけ、それを大切に育てているということがないとはね。子供そのものが少ないので、物足りないのだろう。身分の低い母から生まれたとはいえ、明石の御方の娘だけは、あれほど世にも珍しい宿世を持っているのだから、何か大きな運命があるのだろう。

 「その新しい姫君だって、下手をすると本当の娘ではないのではないかな。源氏はさすがに人を引きつけるようなところのある人だから、何か考えがあって、ああいう扱いをしているのだろう」とまで言って、玉鬘を軽く見ようとした。

 「それで、その姫君は結局誰に決まりそうなのだ。兵部卿宮がものにするのかな。源氏とはもともと特別に仲のよい宮だし、人柄も立派だ。なかなか似合いの二人なのだろうね」

 そんなことを言いながら、内大臣は結局、自分の娘・雲居雁のことが思いどおりになっていないのが、どうしても残念だった。源氏が玉鬘を神秘的に扱い、世間の男たちに「いったい誰と結婚させるのだろう」とやきもきさせているのを見ると、自分も雲居雁をそんなふうに扱ってみたかった、と悔しくなる。自分の思い描くほど高い地位の男でない限り、簡単に許す気にはなれなかったのである。

 大臣クラスの人々が熱心に仲介し、何度も頭を下げてくるようになれば、こちらも負けたような形で折れてやってもいい――内大臣はそんなふうに考えている。ところが肝心の夕霧は、まったく焦って頼み込んでくる様子がない。それがまた内大臣には、ひどく面白くなかった。

雲居雁を訪ねる内大臣

 あれこれ考え続けているうち、内大臣はふいに思い立ち、気軽な格好で雲居雁のところへ出かけた。弁少将も供について行く。

 雲居雁は昼寝をしていた。薄物の単衣を着て横になっている姿は、暑苦しいどころか、ひどくかわいらしく、華奢に見える。薄衣から透ける肌も美しく、かわいらしい手に扇を持ったまま、腕を枕にして眠っている。横へ流れた髪は、ものすごく長く豊かというほどではないが、毛先まで実に美しく整っていた。

 女房たちも、物陰へ寄りかかって休んでいたので、内大臣が入ってきてもすぐには気づかない。大臣が扇を鳴らすと、雲居雁は何の警戒もなく顔を上げた。少し赤みを帯びた頬と、無心にこちらを見る目が、父親の目にはただただかわいく映る。

 「うたた寝をしてはいけないと、いつも言っているだろう。それなのに、どうしてこんな無防備な姿で寝ていたのだ。女房たちまで近くにいないとは、どういうことだ。女というものは、いつでも自分の身に気を配り、きちんと守っているのがよい。安心しきって、すべてを投げ出したように振る舞うのは品がない。

 「だからといって、あまりに賢そうに身を固めて、不動明王の陀羅尼でも唱えながら印を結んで座っているようなのも嫌なものだ。現実に生きている人間からあまりに遠く離れ、何もかも隔てているのを『気高い』と言ったところで、人から嫌われるだけで、心のかわいらしさがなくなる。

 「源氏の大臣が、将来后になるよう育てている姫君にしている教育というのは、何事も一つに偏らせず、広く通じるようにして、才気ばかりを目立たせることもなく、かといって何をしてもおぼつかない人にもならないよう、柔らかく育てているそうだ。なるほど、それももっともだとは思う。ただ、人はそれぞれ、生まれつき心の向く方向というものがある。どんな人に育つかは、これから自然に現れてくるだろう。あの姫君が宮仕えに出る時、いったいどんな方になっているのか、私はたいそう興味があるよ」

 そう話したあと、内大臣は雲居雁自身の将来へ話を戻した。「私は、あなたを自分の思うような身の上にして見届けたいと思っていた。それはもう難しくなってしまったところもあるけれど、それでもどうにかして世間の笑いものにならないよう、きちんとした身の上にしてやりたいと思っている。人の娘たちのいろいろな話を聞くたびに、あなたのことが気になって、あれこれ考えてしまうよ。

 「だから、試しに熱心そうな求婚者が現れたからといって、その人の願いに簡単になびいてはいけない。私には私なりの考えがあるのだから」

 父にそう言われると、雲居雁は今さら昔のことを思い出した。まだ何も深くわからなかったころ、夕霧とのことが突然大騒ぎになった時も、自分はよく恥ずかしげもなく父の前にいられたものだ――そう思うと胸が詰まり、今になってひどく恥ずかしくなる。

 祖母の大宮からは、いつも「なかなか顔を見せに来てくれない」と恨み言を言われている。それでも父がこんなふうに釘を刺すものだから、雲居雁は遠慮して、大宮のところへ気軽に会いに行くこともできないのだった。

内大臣、近江の君の扱いに困る

 内大臣は一方で、北の対に住ませている新しい娘、近江の君をどうしたものかと持て余していた。

 「自分から賢そうに探し出して連れてきたものを、人が悪く言うからといって、今さら元のところへ送り返したら、それこそ軽々しく、気でも狂ったように見える。かといって、このまま大切に奥へ置いておくと、本気で立派な姫君として育てるつもりなのだと世間が言うらしい。それも腹立たしい。いっそ女御のところへ入れてしまって、あちらの人々に交じらせ、少々滑稽でも宮仕えをする女に仕立ててしまおう。それに、人があれほどひどい顔だと言うが、本当にそこまで言われるほどなのだろうか」

 そう考え、女御に話した。「あの人をそちらへ参らせようと思う。見苦しいところがあったら、年を取った女房たちにでも、遠慮なく教えさせておくれ。ただ、若い女房たちの笑いものにはしないように。そんなことをしたら、あまりにも軽薄で嫌だからね」と、笑いながら頼んだ。

 女御は、こちらが気後れするほど上品な様子で答えた。「どうして、それほど普通とかけ離れた方でございましょう。右中将などが、あまりに『世に二人とない美しい人だ』と思い込んでいたので、その期待に少し足りなかったというだけではありませんか。皆がこんなふうに大騒ぎなさるので、ご本人が恥ずかしい思いをしていらっしゃるという面もあるでしょう」

 内大臣は改めて女御を見る。細やかに愛らしいという種類の美しさではない。ひどく高貴で澄み切った中に、親しみやすさが添っている。まだ咲ききらない美しい梅の花を、朝ぼらけに眺めているような、これから先の美しさまで感じさせる微笑みが、ほかの人とは違っていた。

 「右中将も、いくら何でも、まだ若くて見る目が足りなかったのだろう」などと内大臣が言うのを聞いていると、近江の君もずいぶん気の毒な扱いを受けているものだった。

双六に夢中の近江の君

 内大臣はそのまま女御の御殿の近くに立ち止まり、ついでに近江の君の様子を覗いてみた。簾を高く押し上げ、「五節の君」という少し気の利いた若い女房と、双六を打っている。

 近江の君は両手をせわしなく揉みながら、「せうさい、せうさい!」と賽の目を願っている。その声のなんと早口なことか。内大臣は、ああ嫌だ、と呆れ、供の者が先払いをしようとするのまで手で制して、妻戸の細く開いたところから、障子の向こうをそっと覗き続けた。

 相手の五節の君もまた気が強く、「御返しよ、御返しよ」と言いながら筒を握り、なかなか賽を振ろうとしない。二人とも勝負には何か思惑があるのだろうが、傍から見れば、何とも浅はかな様子だった。

 近江の君は、顔立ちそのものはふっくらと愛嬌があり、髪もきれいに整っていて、ひどく悪く見える人ではない。ただ、額の生え際が近すぎるところと、声の軽々しく騒がしいところが、すべてを台無しにしているようだった。取り立てて素晴らしいとも言えないが、かといってまるで他人の血筋だと否定できるほどでもない。どこか鏡を見るように自分と似たところまで思い当たり、内大臣は、なんとも気の進まない因縁だと感じる。

 姿を現した内大臣は、「こちらで暮らしてみて、ひどく居心地が悪かったり、慣れずに困ったりすることはないか。私も何かと忙しいばかりで、なかなか顔を見に来られないね」と声をかけた。

 近江の君は例の早口で答えた。「ここに置いていただいて、何を物思いすることがございましょう。ただ、長いあいだ、どんなお顔なのだろう、一度見てみたいとお慕い申しておりました父上のお顔を、いつでも拝見できないことだけが、手を使えないような、何とも物足りない心地でございます」

 内大臣は困ったように言う。「本当は、私の身近くで使う女房もそれほどいないから、あなたをそういうふうにそばへ置いて、少しずつ見慣れようかと、以前は考えていたのだよ。だが、やはりそうもいかないようだ。普通の女房なら、どこの誰とも知れず大勢に交じっているから、世間の目も耳もわざわざ一人に止まらず、気楽なものだろう。けれど、それでも『あの人の娘』『この人の子』と知れるほどの家柄になると、宮仕えによって親兄弟に恥をかかせる例は多い。ましてあなたは――」

 そこまで言いかけた父の気まずそうな顔にも気づかず、近江の君は、「何も、大げさな身分で宮仕えしようと考えるから窮屈なのでございます。御手洗いの御用でも、何でもいたします」と元気よく答えた。

 内大臣はもう我慢できず、吹き出した。「それはまた、あなたには似つかわしくない役目だね。せっかくこんなに珍しく再会できた親に、少しでも孝行をしてやろうという気持ちがあるなら、その物を言う声を、ほんの少しゆっくりにして聞かせてくれないか。そうしたら私も寿命が延びそうだよ」

 ずいぶん人を馬鹿にした父親ではあるが、笑いながらそう言った。

 近江の君は真剣に悩んだ。「これはもう、生まれつきの舌のせいなのでございましょう。幼いころから、亡くなった母もいつも苦にして、直すように教えてくれました。妙法寺の別当の大徳が私の生まれた産屋にいたので、その人との取り合わせが悪かったのだ、と母は嘆いておりました。どうしたらこの早口が治るのでございましょう」

 自分の早口を何とか直して父に孝行したいと本気で思い悩んでいるところは、さすがに情が深く、いじらしい。けれど内大臣は、「そんなに産屋へ入り込んでいた大徳のほうが、どうかしているね。きっとその罪の報いだろう。大乗の教えを誹謗した罪の報いにも、口が利けなくなるとか、どもるとかいうことが数えられているそうだから」と、またからかう。

 そして心の中では、女御は実の娘でありながら、父親の自分でさえ気恥ずかしくなるほど立派な方なのに、その前へこの近江の君を出すのは本当に恥ずかしい、と思う。いったい自分は何を根拠に、ろくに人物も調べず、こんな妙な雰囲気の娘を迎え入れてしまったのだろう。大勢の人が見て、あれこれ言いふらすに違いない――そう思い直しながらも、今さらどうすることもできない。

 「女御が里に下がっていらっしゃる時には、ときどきそちらへ参って、人々の振る舞いなどを見習いなさい。特に取り柄のない人だって、人の中へ交じり、そういう暮らしに慣れれば、それなりにはなるものだ。そういうつもりで、女御にお目にかかるようにしなさい」

 近江の君は大喜びした。「それはもう、何より嬉しいことでございます。ただただ、どうにかして御姉妹方に人並みに数えていただきたい、それだけを寝ても覚めても長年願ってきたのでございます。お許しさえいただけるのでしたら、水を汲んで頭に載せてでも、お仕えいたします」

 嬉しそうに、さらに勢いよく喋り続けるので、内大臣はもうどうしようもないと思った。「いや、そこまで自分から進んで薪を拾うような苦労をしなくても、普通に参ればいい。ただ、あの産屋にいたというお坊さんだけは、なるべく遠くに置いておくことだね」と、また冗談を言った。

 近江の君は、その冗談さえわかっていない。目の前の父が、同じ「大臣」と呼ばれる人々の中でも格別に美しく、堂々として華やかで、並の人ならまともに顔も上げられないほど威厳のある人だということも、十分にはわかっていないらしい。ただ、「それでは、いつ女御様のところへ参ればよろしいのでしょう」と尋ねた。

 内大臣は、「こういうことにも、よい日を選べと言うのかな。まあいい、大げさなことでもない。そうしたければ今日でも構わない」と投げるように言って、そのまま出ていった。

近江の君の早口と、田舎育ちの名残

 身分ある四位、五位の供人たちがかしこまって仕え、内大臣が少し身じろぎするだけでも大げさなほど人が動く。その威勢を見送って、近江の君は感激した。

 「まあ、なんて立派な私のお父様なのでしょう。あんな方の血を引きながら、私はどうしてあんな粗末な小さな家で育ったのでしょう」

 すると五節の君が、「あまりにも御立派すぎて、かえっておそばにいるのが恥ずかしくなるような方ですわ。それくらいなら、ほどほどの身分の父親が大切に育ててくれる家に、娘として見つけてもらったほうがよかったのではありません?」と言う。

 近江の君はすぐ腹を立てた。「またあなたは、何でも人の言うことに逆らって、本当に腹が立つ。もうこれからは、私と同じ口で言葉を交わさないでちょうだい。私はきっと、これから何かある身なのよ」

 そう怒っている顔は、近くで見ると案外愛嬌があり、少し涙ぐんだような様子まで添わると、これはこれで悪くない。許してやりたくなるようなところもあった。

 ただ、あまりにも田舎じみた、身分の低い人々の中で育ってきたため、物の言い方というものを知らないのである。何の意味もない平凡な言葉であっても、声をゆっくり落ち着かせて言えば、ふと耳にした時に特別な響きがあるように聞こえることがある。たいして面白くもない歌を語るにしても、声の使い方がふさわしく、余韻を残しながら、言葉の初めと終わりを大切にして口ずさめば、歌の深い意味などまだわからない人が聞いても、何となくいいものだと思って耳を止めるものだ。

 反対に、どれほど奥深く風情あることを口にしていても、近江の君のように軽々しい声で、言葉を強く、早口に、訛りまで交えて言ってしまえば、とても立派なことを言っているようには聞こえない。甘やかす乳母の懐で、何でも自分の思いどおりに言うことに慣れて育った、その立ち居振る舞いのまずさが、この人のよいところをすっかり損なってしまっているのだった。

 とはいえ、まったく歌が詠めないわけではない。三十一文字を少しはみ出し、上の句と下の句のつながりも合わないような歌なら、これまた驚くほどの早口で、次々と詠んでしまう。

近江の君、女御へ珍妙な手紙を送る

 父から女御のところへ参れと言われた近江の君は、「せっかく参れとおっしゃったのに、私が渋っているように見えたら、女御様も面白くなくお思いになるでしょう。今夜にでも参りましょう。父上が天下を思うままになさるほど偉い方でも、御姉妹方から冷たくされたら、この邸の中では私は立っている場所もなくなってしまいますもの」と言った。自分の評判がどれほど軽いものか、まるでわかっていない。

 まず女御へ手紙を差し上げることにした。

 「葦垣ほどすぐお近くにおりましても、今までお姿の影を踏むほどのお近づきにもなれませんのは、『来るな』という勿来の関でもお据えになっているのでございましょうか。よくは知りませんけれど、武蔵野と申せば何やら恐れ多うございます。あなかしこ、あなかしこ」

 そんな具合に、ところどころ点までやたらと打ちながら書いてある。裏にはさらに、「そうそう、今夜にも参ろうと思い立ちましたのは、私をお嫌いだからでしょうか。いやはや、いやはや、不思議なのは水のない水無川でございます」などと、意味のつながらない言葉を続け、端にはこんな歌まで書きつけた。

草若み常陸の浦のいかが崎いかであひ見む田子の浦波
大川水の

若草のような私、常陸の浦の「いかが崎」ではありませんが、いかがしたらお会いできるのでしょう。田子の浦の波、大川の水の――。

 地名や歌言葉を思いつくまま継ぎ合わせたようで、まともな意味はほとんど通らない。

 青い色紙を一枚使い、草書をやたらと多くして、勢いだけはある筆で書いている。何流の書ともわからず文字はあちらこちらへ漂い、下のほうへ長く間延びしているのに、本人だけはひどく風流らしく見せようとしている。行の端は斜めになり、今にも倒れそうだ。近江の君は自分の書いたものを微笑みながら眺め、さすがに細く小さく巻いて結び、撫子の花につけた。

 手紙を持って行く樋洗童は、宮仕えにも慣れた清らかな姿の子で、最近こちらへ来たばかりだった。女御の御殿の台盤所まで行き、「これをお渡しください」と差し出す。下仕えの女はその子を見知っていて、「北の対にいる童女ね」と言いながら手紙を受け取った。

 大輔の君という女房が女御のもとへ持って行き、包みを解いて御覧に入れる。女御は微笑み、そっと脇へ置いた。そばにいた中納言の君が、横からちらちらと見ていた。

 「まあ、ずいぶん今風で風情のあるお手紙のようでございますね」と興味を見せるので、女御は、「私には草書の字がよく読めないせいでしょうか、初めも終わりもよくわからない手紙に見えます」と言って、中納言の君へ渡した。

 「お返事も、これほど風情たっぷりに書かなかったら、相手から趣がないと軽蔑されるかもしれません。あなたがそのまま書いてください」と女御が譲る。表立って声を上げるわけではないが、若い女房たちはもう面白くて、皆こらえきれずに笑っている。

 使いの者が返事を求めるので、中納言の君は、「お手紙があまりにも面白い趣向ばかりに絡めてありますので、お答えするのも難しゅうございます。宣旨を書くような堅い返事ではお気の毒でしょう」と言い、普通の手紙らしく書いた。

 「こんなに近くにおりますのに、そのしるしもなく、お会いできない心細さが恨めしく――」

常陸なる駿河の海の須磨の浦に波立ち出でよ筥崎の松

常陸にある駿河の海、その須磨の浦に、さあ波よ立って出ておいで、筥崎の松よ――。

 こちらもわざと地名をめちゃくちゃにつなぎ合わせ、近江の君の歌を真似たのである。

 それを声に出して読んで聞かせると、女御は、「まあ、ひどい。これでは本当に私自身が書いた返事だと言い張られてしまうかもしれませんよ」と、見ているこちらまで恥ずかしいという顔をした。

 中納言の君は、「それくらいは、読む人がきちんと見分けてくれるでしょう」と言って、そのまま包んで使いに持たせた。

 近江の君は返事を見ると、「まあ、なんて風情のあるお言葉なのでしょう。私が来るのを『待つ』とおっしゃっているわ」と、すっかり喜んでしまった。

 そして女御との対面に備え、ひどく甘い薫物の香を何度も何度も衣に焚きしめる。紅も真っ赤になるほどたっぷり塗りつけ、髪をきれいに梳いて整えた。その姿は、それはそれで賑やかで愛嬌があった。

 さて、いよいよ女御と顔を合わせた時には、また何か度を越したことを言い出すのだろう。そんな気がしてならない。

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