万葉集「巻5-797番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  悔しかもかく知らませばあをによし国内ことごと見せましものを

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原文

  久夜斯可母 可久斯良摩世婆 阿乎尒与斯 久奴知許等其等 美世摩斯母乃乎

読み下し文

  くやしかもかく知らませばあをによし国内くぬちことごと見せましものを

語釈
  • あをに【青丹】:青黒い土。岩緑青の古名。染料や絵の具に用いられる。
  • あをによし【青丹よし】:〘枕詞〙青丹の産地であった「奈良」、転じて「国内」にかかる。
  • くぬち【国内】:「くにうち」の転。国のなか。国内。
  • ことごと【事事】すべて。全部。

現代語訳

  悔しいことよ。こうなると知っていたなら、国内をことごとく見せただろうものを。

作者

 山上憶良

万葉歌碑

万葉集「巻5-797番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
万葉歌碑の所在地
太宰府悠久の丘 / 2024年10月4日訪問

場所:太宰府悠久の丘(太宰府メモリアルパーク内)

住所:〒818-0134 福岡県太宰府市大佐野字野口807-128

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この記事を書いた人

うつ病で生きづらさを抱えていた30代の頃に、鴨長明『方丈記』を読んで大共感。「人の悩みは昔も今も変わらないものだ」としみじみ感じ、学生時代はまったく興味がなかった古文や漢文の魅力に初めて気づきました。20年計画で『源氏物語』と『万葉集』の全訳にも挑戦中。万葉歌碑めぐりや街道歩きなど歴史探訪も好きです。

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