万葉集「巻11-2480番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  路の辺の壱師の花のいちしろく人皆知りぬ我が恋妻を

『万葉集』の第11巻に収録されている2480番歌は、柿本人麻呂が詠んだ歌です。万葉歌碑は福岡県太宰府市にある「太宰府メモリアルパーク」にあります。太宰府メモリアルパークはなんと16基もの万葉歌碑が設置されている宝庫。博多湾まで一望できる景色も素晴らしいので、ぜひ訪れてみてください。『万葉集』第11巻、2480番歌の原文・読み下し文・現代語訳と、万葉歌碑の場所をご紹介します♪

目次

第11巻 2480番歌の原文・現代語訳

原文

  路邊壹師花灼然人皆知我戀孋

   或本謌曰灼然人知尒家里継而之念者

読み下し文

  みちいちの花のいちしろく人皆知りぬ我が恋妻こひづま

   ほんいはく、いちしろく人知りにけりぎてし思へば

語釈
  • いちしのはな【壱師の花】:花は未詳。ヒガンバナであるとする説が有力。
  • いちしろし【著し】:明白である。はっきりしている。
  • ほんか【本歌】:先人の歌を作り替えたり、一部の語句を取って別の歌などを作ったりした場合の、もとの歌。
  • つぐ【継ぐ】:継続する。続ける。

現代語訳

  道のほとりに咲く彼岸花のように、はっきりと人は皆知ってしまった、わが恋しい妻を。

   ある本歌にいわく、はっきりと人が知ったこと、ずっと思っているのだから。

   

鴨

彼岸花は確かに目立つかも♪

第11巻 2480番歌の万葉歌碑

『万葉集』第11巻、2480番歌の万葉歌碑は、福岡県太宰府市の「太宰府メモリアルパーク」にあります。

太宰府メモリアルパークの場所

太宰府メモリアルパーク内のメモリアル渓流 / 2024年10月4日訪問
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この記事を書いた人

うつ病で生きづらさを抱えていた30代の頃に、鴨長明『方丈記』を読んで大共感。「人の悩みは昔も今も変わらないものだ」としみじみ感じ、学生時代はまったく興味がなかった古文や漢文の魅力に初めて気づきました。20年計画で『源氏物語』と『万葉集』の全訳にも挑戦中。万葉歌碑めぐりや街道歩きなど歴史探訪も好きです。

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