万葉集「巻5-799番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  大野山霧立ち渡るわが嘆く息嘯の風に霧立ち渡る

目次

原文

  大野山 紀利多知和多流 和何那宜久 於伎蘇乃可是尒 紀利多知和多流

   神龜五年七月廿一日 筑前國守山上憶良上

読み下し文

  おほやま霧立ち渡るわが嘆くおきの風に霧立ち渡る

   じん五年七月廿一日 筑前国守山上憶良たてまつ

語釈
  • おほのやま【大野山】:現在の福岡県大野城市にあるおおやま。太宰府政庁の北側。大伴旅人の妻が埋葬された地。
  • おきそ【息嘯】:ため息。嘆息。

現代語訳

  大野山に霧が立ち渡っている。わたしが嘆くため息の風に乗って、霧が立ち渡っている。

   神亀5年7月21日 筑前国守山上憶良が献上する。

作者

 山上憶良

万葉歌碑

万葉集「巻5-799番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
万葉歌碑の所在地
太宰府悠久の丘 / 2024年10月4日訪問

場所:太宰府悠久の丘(太宰府メモリアルパーク内)

住所:〒818-0134 福岡県太宰府市大佐野字野口807-128

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この記事を書いた人

うつ病で生きづらさを抱えていた30代の頃に、鴨長明『方丈記』を読んで大共感。「人の悩みは昔も今も変わらないものだ」としみじみ感じ、学生時代はまったく興味がなかった古文や漢文の魅力に初めて気づきました。20年計画で『源氏物語』と『万葉集』の全訳にも挑戦中。万葉歌碑めぐりや街道歩きなど歴史探訪も好きです。

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