万葉集「巻5-796番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  愛しきよしかくのみからに慕ひ来し妹が心のすべもすべなさ

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原文

  伴之伎与之 加久乃未可良尒 之多比己之 伊毛我己許呂乃 須別毛須別那左

読み下し文

  しきよしかくのみからにしたいもが心のすべもすべなさ

語釈
  • はしきよし【愛しきよし】:愛惜・追慕などの感動を表す。ああいとしい。
  • すべもすべなさ【術も術無さ】:どうにもしようもないことよ。

現代語訳

  ああ、いとしい。こうなるばかりの命であったがために、私を慕ってついて来た妻の心が、どうしようもなくいとしいことよ。

作者

 山上憶良

万葉歌碑

万葉集「巻5-796番歌」の万葉歌碑 / 2024年10月4日訪問
万葉歌碑の所在地
太宰府悠久の丘 / 2024年10月4日訪問

場所:太宰府悠久の丘(太宰府メモリアルパーク内)

住所:〒818-0134 福岡県太宰府市大佐野字野口807-128

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この記事を書いた人

うつ病で生きづらさを抱えていた30代の頃に、鴨長明『方丈記』を読んで大共感。「人の悩みは昔も今も変わらないものだ」としみじみ感じ、学生時代はまったく興味がなかった古文や漢文の魅力に初めて気づきました。20年計画で『源氏物語』と『万葉集』の全訳にも挑戦中。万葉歌碑めぐりや街道歩きなど歴史探訪も好きです。

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