【万葉集】第12巻3170番歌|志賀の白水郎の釣りし燭せる漁火の

  志賀の白水郎の釣りし燭せる漁火のほのかに妹を見むよしもかも

『万葉集』の第12巻3170番歌は、相聞「覊旅に思いを発せる歌五十三首」のうちの一首です。第12巻3170番歌の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑を紹介します。

目次

第12巻3170番歌の題詞

原文

  覊旅發思謌五十三首

読み下し文

  覊旅たびに思いをおこせる歌五十三首


第12巻3170番歌の本文

原文

  思香乃白水郎乃 釣為燭有 射去火之 髣髴妹乎 将見因毛欲得

読み下し文

  志賀しか白水郎あまりしともせる漁火いさりびのほのかにいもむよしもかも

語釈
  • しか【志賀】:現在の福岡市東区志賀島。
  • あま【白水郎】:「白水」は中国の地名。水に潜ることが得意な者がいたことから、漁師や海人を意味する。
  • いも【妹】:男性が、妻・恋人・姉妹などを親しんで呼ぶ語。

現代語訳

  志賀の漁師が釣りをして灯している漁火のように、ほのかにでもいいから貴女の姿を見るすべがほしいよ。


第12巻3170番歌の作者

 作者未詳


第12巻3170番歌の万葉歌碑

志賀島(福岡市東区)

万葉集「第12巻3170番歌」の万葉歌碑 / 2024年11月24日訪問
万葉歌碑の所在地
志賀島小学校前の海岸 / 2024年11月24日撮影

場所:志賀海小学校前の海岸

住所:〒811-0323 福岡県福岡市東区志賀島

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この記事を書いた人

うつ病で生きづらさを抱えていた30代の頃に、鴨長明『方丈記』を読んで大共感。「人の悩みは昔も今も変わらないものだ」としみじみ感じ、学生時代はまったく興味がなかった古文や漢文の魅力に初めて気づきました。20年計画で『源氏物語』と『万葉集』の全訳にも挑戦中。万葉歌碑めぐりや街道歩きなど歴史探訪も好きです。

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