万葉集「巻3-334番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑

  わすれ草わが紐に付く香具山の故りにし里を忘れむがため

『万葉集』の第3巻に収録されている334番歌は、大伴旅人が詠んだ歌です。万葉歌碑は福岡県太宰府市にある「太宰府メモリアルパーク」にあります。太宰府メモリアルパークはなんと16基もの万葉歌碑が設置されている宝庫。博多湾まで一望できる景色も素晴らしいので、ぜひ訪れてみてください。『万葉集』第3巻、334番歌の原文・読み下し文・現代語訳と、万葉歌碑の場所をご紹介します♪

目次

第3巻 334番歌の原文・現代語訳

原文

  萱草吾紐二付香具山乃故去之里乎忘之為

読み下し文

  わすれくさわがひもに付く香具かぐやまりにしさとを忘れむがため

語釈
  • わすれくさ【忘れ草】:萱草かんぞうの別名。憂いを忘れる草といわれ、垣根に植えたり下着の紐に付けたりした。
  • かぐやま【香具山】:旅人の故郷、明日香(現在の奈良県橿原市)にある山。
  • ふる【故る・古る・旧る】:古くなる。年が経つ。

現代語訳

  わすれ草をわが紐に付ける。香久山が遠くなつかしい古里を忘れようとするために。

鴨

高齢で大宰府に赴任した旅人は、もう故郷に帰れないと寂しかったかも♪

第3巻 334番歌の万葉歌碑

『万葉集』第3巻、334番歌の万葉歌碑は、福岡県太宰府市の「太宰府メモリアルパーク」にあります。

太宰府メモリアルパークの場所

太宰府メモリアルパーク内のメモリアル渓流 / 2024年10月4日訪問
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この記事を書いた人

うつ病で生きづらさを抱えていた30代の頃に、鴨長明『方丈記』を読んで大共感。「人の悩みは昔も今も変わらないものだ」としみじみ感じ、学生時代はまったく興味がなかった古文や漢文の魅力に初めて気づきました。20年計画で『源氏物語』と『万葉集』の全訳にも挑戦中。万葉歌碑めぐりや街道歩きなど歴史探訪も好きです。

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